UiPathの属性を取得アクティビティとHTML属性の基礎を完全解説
UiPathの「属性を取得」アクティビティの使い方をHTML属性の基礎知識と合わせて詳しく解説。id、class、name、value、checked、disabledなどの実用的な使用例も紹介します。
Info
この記事では、UiPathの「属性を取得」アクティビティの使い方を、HTML属性の基礎知識と合わせて詳しく解説します。初心者の方でも理解できるよう、基本的なHTMLの概念から実際の使用例まで段階的に説明します。
📘 はじめに:HTMLとは何か
Webページは**HTML(HyperText Markup Language)**という言語で構成されています。HTMLは、Webページの構造や内容を記述するためのマークアップ言語です。
HTMLは「要素」と呼ばれるブロック単位で構成されており、各要素は開始タグと終了タグで囲まれています。
<div>ここはdiv要素の内容です</div>
<input type="text" id="username" class="form-control" value="初期値">
<button disabled>無効なボタン</button>
🏷️ HTML属性の基礎知識
HTML要素には**属性(Attribute)**と呼ばれる追加情報を設定できます。属性は要素の性質や動作を定義する重要な役割を担います。
HTML属性の基本構造
<タグ名 属性名="属性値" 属性名2="属性値2">内容</タグ名>
id属性
要素の一意識別子。ページ内で唯一の値
id="username"
class属性
要素のスタイルクラス。複数指定可能
class="btn primary"
name属性
フォーム送信時の識別名
name="email"
value属性
入力要素の値
value="初期値"
disabled属性
要素の無効状態
disabled
checked属性
チェックボックス等の選択状態
checked
属性の使い分け
一意性を持つ属性
id属性
ページ内で唯一の値を持つ識別子。CSSやJavaScriptで特定の要素を指定する際に使用。
<input id="user-email" type="email">
🤖 UiPathの「属性を取得」アクティビティ
UiPathの「属性を取得(Get Attribute)」アクティビティは、Webページ上のHTML要素から特定の属性値を取得するために使用します。
アクティビティの基本情報
正式名称
Get Attribute(属性を取得)
分類
UI Automation アクティビティ
対応OS
Windows - レガシ | Windows
戻り値
String型(文字列)
🛠️ 基本的な使い方
アクティビティの配置
アクティビティパネルで「属性を取得」を検索し、デザイナーパネルに配置します。
Tip
モダンデザインとクラシックデザインの両方で利用可能ですが、本記事ではクラシック版を基準に説明します。
対象要素の指定
「画面上で指定」ボタンをクリックし、属性を取得したいHTML要素を選択します。
選択すると、UiPathが自動的にセレクターを生成し、要素を識別できるようになります。
属性の選択
「属性」プロパティの右側にある「▼」をクリックして、利用可能な属性一覧を表示します。
目的に応じて適切な属性を選択してください。
変数の設定
「結果」プロパティに、取得した属性値を格納するString型変数を指定します。
変数は事前に作成しておくか、プロパティパネルで直接作成できます。
🎯 実践的な使用例
1. チェックボックスの状態確認
チェックボックスが選択されているかを確認する例:
HTML例
<input type="checkbox" id="agree" checked> 利用規約に同意する
UiPath設定
- 属性: "checked"
- 結果: checkboxState(String型変数)
- 取得値: "True" または空文字
重要なポイント
checked属性は、チェックされている場合は"True"、チェックされていない場合は空文字が返されます。
2. ボタンの無効状態確認
ボタンが押せる状態かを確認する例:
HTML例
<button id="submit-btn" disabled>送信</button>
UiPath設定
- 属性: "disabled"
- 結果: buttonState(String型変数)
- 取得値: "True" または空文字
条件分岐での活用
取得した値を条件分岐で使用し、ボタンが有効な場合のみクリック処理を実行できます。
3. 入力フィールドの値取得
入力フィールドに入力されている値を取得する例:
HTML例
<input type="text" id="username" value="user123">
UiPath設定
- 属性: "value"
- 結果: inputValue(String型変数)
- 取得値: "user123"
4. リンクのURL取得
リンク要素のURL情報を取得する例:
HTML例
<a href="https://example.com/page" id="link1">詳細はこちら</a>
UiPath設定
- 属性: "href"
- 結果: linkUrl(String型変数)
- 取得値: "https://example.com/page"
⚙️ 重要なプロパティ設定
セレクターの調整
Important
取得対象の要素が動的に変化する場合は、セレクターの調整が必要です。id属性や固有の属性を使用すると、より安定したセレクターを作成できます。
タイムアウト(ミリ秒)
デフォルト: 30000ms(30秒)
要素が見つからない場合の待機時間を設定します。
準備完了まで待機
NONE / INTERACTIVE / COMPLETE
ページの読み込み完了レベルを指定します。
エラー発生時に実行を継続
True / False
エラーが発生した場合の動作を制御します。
🔧 トラブルシューティング
よくある問題と解決策
セレクターが見つからない
原因: 要素が動的に変化している
解決策:
- より安定したセレクターを使用(id属性など)
- 待機時間を調整
- アンカーベースアクティビティの使用を検討
どの属性を選択すればよいかわからない
解決策:
- UI Explorerのプロパティエクスプローラーで属性値を確認
- ブラウザの開発者ツール(F12)でHTML構造を調査
- 目的に応じた属性を選択(状態確認なら"checked"、値取得なら"value"など)
デバッグのコツ
UI Explorerの活用
UI Explorerのプロパティエクスプローラーで、対象要素の利用可能な属性と値を事前に確認します。
メッセージボックスでの確認
取得した属性値をメッセージボックスで表示し、期待値と一致するかを確認します。
条件分岐での検証
取得した値が空文字や"True"/"False"など、期待する形式かを条件分岐で検証します。
🌟 応用テクニック
JavaScriptとの連携
上級者向け
「JSスクリプトを挿入」アクティビティと組み合わせることで、より柔軟な属性操作が可能になります。
動的に変化する要素に対しては、JavaScriptを使用してid属性を動的に付与し、その後「属性を取得」で値を取得する手法も効果的です。
// JavaScriptでid属性を動的に付与
document.querySelector('input[type="email"]').id = 'dynamic-email';
複数要素の処理
同じクラスを持つ複数の要素から属性を取得する場合は、「繰り返し(各要素)」アクティビティと組み合わせて使用します。
📚 まとめ
UiPathの「属性を取得」アクティビティは、Webページの自動化において非常に重要な機能です。HTML属性の基礎知識を理解することで、より効果的にRPAワークフローを構築できます。
HTML属性の理解
- • id、class、nameの違いを理解
- • 状態属性(checked、disabled)の活用
- • 値属性(value、href)の取得方法
UiPath活用技術
- • セレクターの最適化
- • エラーハンドリングの実装
- • 条件分岐での活用
これらの知識を組み合わせることで、堅牢で効率的なWebオートメーションが実現できます。まずは基本的な属性の取得から始めて、徐々に複雑なシナリオに挑戦してみてください。
Success
継続的な学習とやり実践を通じて、UiPathでのWeb要素操作をマスターしましょう!
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